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「納豆にマヨネーズをかけると美味しい」という噂、皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
実は私も、以前は「納豆は醤油とカラシで食べるもの」という固定観念に縛られていました。
しかし、実際に試してみると、そのまろやかさと意外な相性の良さに驚かされた一人です。
特に、納豆特有の臭いやネバネバ感が苦手で、「健康のために食べたいけれど、どうしても箸が進まない」と悩んでいる方にとって、マヨネーズは救世主になる可能性を秘めています。
マヨネーズの酸味とコクが、納豆のクセを驚くほどマイルドにしてくれるからです。
一方で、「マヨネーズなんてかけたら太るのではないか?」
「栄養の組み合わせ的に悪い噂(アビジン問題など)を聞いたことがあるけれど大丈夫?」といった不安を感じる方も多いかなと思います。
美味しいけれど不健康では意味がありませんよね。
この記事では、納豆とマヨネーズを組み合わせることで生まれる意外な相乗効果や、栄養を効率よく、かつ安心して摂取するためのポイントについて、私の経験とリサーチに基づいて詳しく解説していきます。
ポイント
- 納豆とマヨネーズの組み合わせによる意外な健康効果と栄養吸収のメリット
- アビジン問題の真実と安心して食べるための科学的な理由
- カロリーを抑えつつ美味しさを最大化するおすすめのレシピと分量
- 美肌やダイエット効果を期待する場合の最適な摂取タイミング
納豆とマヨネーズの意外な効果とメリット
ここでは、納豆にマヨネーズを混ぜることで生まれる驚きの変化について深掘りします。
単に味がまろやかになるだけではありません。
栄養面での隠れたメリットや、多くの人が気にしている食べ合わせのリスクについても、一つひとつ丁寧に見ていきましょう。
納豆とマヨネーズの食べ合わせとアビジン

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納豆と卵の組み合わせについて調べると、必ずと言っていいほど出てくるのが「アビジン問題」です。
これは、生の卵白に含まれる「アビジン」というタンパク質が、納豆に豊富に含まれる「ビオチン(ビタミンB7)」と腸内で強く結合してしまい、体への吸収を妨げてしまうという現象のことです。
「それなら、卵を使っているマヨネーズもダメなのでは?」と不安になってしまうのも無理はありません。
しかし、結論から言うと、マヨネーズの場合、アビジンの影響はほとんど心配する必要はありません。
これには明確な理由が2つあります。
1. 卵黄タイプのマヨネーズが主流
日本で販売されている家庭用マヨネーズの多く(特に有名なキユーピーマヨネーズなど)は、「卵黄タイプ」で作られています。
アビジンが含まれているのは「卵白」であり、卵黄には含まれていません。
そのため、卵黄のみを使用しているマヨネーズであれば、そもそもアビジンの含有量は無視できるレベルなのです。
2. 加熱殺菌による失活
もう一つの理由は、製造工程にあります。
マヨネーズを作る際、原料となる卵は殺菌のために加熱処理(パストリゼーション)されるのが一般的です。
アビジンは熱に弱い性質を持っており、加熱されるとその結合能力を失います(これを失活と呼びます)。
したがって、仮に全卵タイプのマヨネーズを選んだとしても、生の卵白をそのまま食べる場合とは状況が異なり、ビオチンの吸収阻害を過度に心配する必要はないと言えます。
ここがポイント
マヨネーズは「卵黄の使用」や「加熱殺菌工程」によりアビジンの影響が極めて低くなっています。
そのため、納豆のビオチンを無駄なく摂取できる安心の組み合わせと言えます。
納豆マヨネーズはまずいか美味しいか検証
検索窓に「納豆マヨネーズ」と入力すると、サジェストに「まずい」という言葉が出てきて不安になることがあるかもしれません。
しかし、実際には多くのリピーターを生んでいる人気の食べ方です。
なぜこれほど支持されるのか、その理由は「味覚」と「食感」の科学的変化にあります。
まず、納豆が苦手な人が最も気にする「アンモニア臭」や「独特の青臭さ(発酵臭)」ですが、これらはマヨネーズに含まれる油分とお酢によってコーティングされ、揮発しにくくなります。これをマスキング効果と呼びます。
お酢の酸味がアンモニアのアルカリ性を中和する働きも期待できるため、匂いがマイルドに感じられるのです。
さらに、食感の変化も見逃せません。マヨネーズは油と酢と卵が乳化した調味料です。
これを納豆のネバネバ成分(ポリグルタミン酸)と混ぜ合わせることで、強い粘り気が空気を抱き込み、まるでホイップされたような「ふわふわ・クリーミー」な状態に変化します。
豆知識:ふわふわ食感の秘密
マヨネーズの微細な油の粒子が納豆の粘り成分のネットワークに入り込むことで、糸を引くような粘着力が弱まり、「コシ」のあるムース状に変わります。
これが「まろやかで美味しい」と感じる最大の要因です。
納豆の独特な匂いや粘りが苦手な方ほど、この劇的な変化に感動することが多いようですね。
納豆マヨネーズで白髪や美肌への影響

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納豆とマヨネーズの組み合わせは、美容に関心の高い方、特に「白髪ケア」や「美肌作り」を目指す方にも注目されています。
一見ジャンクな組み合わせに見えますが、実は理にかなっている部分があるのです。
納豆には、強力な血栓溶解作用を持つ酵素「ナットウキナーゼ」が含まれています。
血液の流れが良くなるということは、頭皮や肌の毛細血管まで酸素や栄養が届きやすくなることを意味します。
健康な黒髪を作るメラノサイトや、肌のターンオーバーを促す細胞は、血液からの栄養供給に依存しています。
ここで重要なのが、先ほど説明した「ビオチン」の存在です。
ビオチンは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素であり、髪の材料となるケラチンの生成にも関わっています。
マヨネーズと一緒に食べてもアビジンによる阻害を受けないため、納豆が持つビオチンをしっかりと体に取り込むことができます。
もし、納豆の血流改善効果についてもっと詳しく知りたい場合は、ナットウキナーゼの効果や働きについて解説した記事も参考にしてみてください。
納豆マヨネーズは太る?カロリーと糖質
どんなに健康に良くても、やはり気になるのはカロリーですよね。
美味しいからといって無防備に食べてしまうと、確かに太る原因になります。ここでは数字で現実を見てみましょう。
納豆単体であれば、1パック(約50g)あたり約80〜100kcal、糖質はごくわずかです。しかし、ここにマヨネーズを加えると状況は一変します。
| 項目 | カロリー(目安) |
|---|---|
| 納豆1パック | 約 90 kcal |
| マヨネーズ 大さじ1(15g) | 約 100 kcal |
| 合計 | 約 190 kcal |
ご覧の通り、マヨネーズを大さじ1杯加えるだけで、カロリーは一気に倍増の約200kcal近くになってしまうのです。
これをご飯一杯(約240kcal)に乗せて食べると、それだけで400kcalを超えてしまいます。
注意点
「納豆はヘルシーだから大丈夫」と油断して、毎日大さじ1杯以上のマヨネーズを追加していると、知らず知らずのうちにカロリーオーバーになりがちです。
ダイエット中の方は量を小さじ1(約30kcal)程度に控えるか、カロリーハーフのマヨネーズを選ぶのが賢明です。
納豆の栄養吸収率を高める脂質の働き
「カロリーが高い=悪」と決めつけるのは少し早計かもしれません。
実は、この「脂質」こそが、納豆の栄養価を最大化する鍵を握っているからです。
納豆に豊富に含まれる「ビタミンK」は、カルシウムの骨への沈着を助けたり、血液凝固に関わったりする重要な栄養素ですが、これは「脂溶性ビタミン」に分類されます。
脂溶性ビタミンはその名の通り、油に溶ける性質を持っており、油と一緒に摂取することで体内への吸収率が劇的に向上するという特性があります。
納豆(大豆)自体にも脂質は含まれていますが、量はそれほど多くありません。
そこにマヨネーズという良質な油分(植物油)を加えることで、腸管内でビタミンKが油に取り込まれやすくなり、効率よく体内に吸収されるようになります。
脂溶性ビタミンについて
特に、骨の健康が気になる閉経後の女性や高齢の方にとって、ビタミンKを効率よく摂れるこの食べ合わせは、カロリー管理さえしっかり行えば非常に合理的な食事法だと言えます。
納豆とマヨネーズの効果的な食べ方とレシピ

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メリットとデメリットをしっかり理解したところで、次はいよいよ実践編です。
いつ食べるのが一番体に良いのか、そして飽きずに美味しく続けるためのアレンジレシピをご紹介します。
納豆マヨネーズをいつ食べるのが正解か
食べるタイミングについては、「朝」と「夜」でそれぞれ異なるメリットがあります。
自分のライフスタイルや目的に合わせて選んでみてください。
| タイミング | 主なメリット | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
| 朝 | 食事誘発性熱産生(DIT)で体温上昇。 脂質が日中の活動エネルギーとして消費されやすい。 | ダイエット中の方 朝から活動的に過ごしたい方 |
| 夜 | ナットウキナーゼが就寝中の血流をサポート。 成長ホルモンとともに肌の修復を助ける。 | 美肌・美髪を目指す方 冷えや血栓予防をしたい方 |
マヨネーズのカロリーが気になる場合や、ダイエット効果を優先したい場合は、エネルギー消費の多い「朝」に食べるのが無難かなと思います。
一方で、納豆の血液サラサラ効果や美容効果を最大限に引き出したいなら、夕食(ただし寝る直前は避けて、就寝2〜3時間前まで)に食べるのがおすすめです。
納豆マヨネーズでダイエットするコツ

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ダイエット中にこの高カロリーな組み合わせを楽しむためのコツは、ずばり「カロリー密度の調整」と「脂質の質の選択」です。
まず、マヨネーズの量は「小さじ1(約30kcal)」を目安にしましょう。
小さじ1でも、納豆1パックに対して十分なコクと風味を与えることができます。
また、使用するマヨネーズの種類にもこだわりたいところです。
最近では「アマニ油マヨネーズ」や「えごま油マヨネーズ」といった機能性表示食品もスーパーでよく見かけるようになりました。
これらに含まれるオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)は、体内で合成できない必須脂肪酸であり、脂肪燃焼をサポートしたり、炎症を抑えたりする働きが期待できます。
少し値段は張りますが、罪悪感を減らしつつ健康効果を高めるための投資としてはアリではないでしょうか。
ふわふわになる人気の納豆マヨレシピ
「納豆マヨを試してみたけど、なんかベチャッとして美味しくなかった...」という失敗を防ぐために、誰でも美味しく作れる基本の「黄金比」と手順をご紹介します。
基本の黄金比レシピ
- 納豆:1パック
- マヨネーズ:大さじ1/2(約6〜8g)
- 付属のタレ:少々(または無し)
- (お好みで)醤油:一滴
美味しく作る手順
- まず、納豆だけを器に入れ、何も入れずに50回ほどよく混ぜます(糸を引かせるため)。
- 次に、マヨネーズを加えます。
- さらに全体が白っぽく、ふんわりするまで混ぜ合わせます。
- 最後に、味を見ながら付属のタレや醤油をごく少量加えます。
ポイントは、「マヨネーズを入れる前にある程度混ぜる」ことと、「タレを最後に入れる」ことです。
最初から全部入れて混ぜるよりも、空気を含んでよりフワフワな食感になります。
また、マヨネーズ自体に塩分があるため、付属のタレは全量入れるとしょっぱくなりがちです。
半分くらいに減らすのが減塩のコツですよ。
納豆マヨネーズトーストやパスタの活用法
ご飯にかけるだけが能ではありません。加熱することで、納豆マヨネーズはさらに化けます。
納豆マヨトースト
食パンに納豆マヨを乗せて、トースターでこんがり焼くだけの鉄板レシピです。
加熱することで納豆特有の匂いが香ばしさに変わり、ネバネバ感も減少します。
とろけるチーズを乗せれば、栄養価も満腹感も最強の朝食になります。
納豆マヨパスタ
茹でたパスタにバター、醤油、そして納豆マヨを和えるだけ。
マヨネーズとバターが熱で乳化して、まるでクリームソースのような濃厚な味わいになります。
忙しい日のランチにぴったりです。納豆が苦手なお子様でも、「これなら食べられる!」というケースも多いようです。
キムチやたくあんを足すおすすめの食べ方

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納豆マヨネーズをベースに、さらに食材を「ちょい足し」することで、飽きずに続けられるだけでなく、栄養価もアップします。
特に相性が良い「神食材」ベスト3をご紹介します。
- キムチ:発酵食品同士の最強タッグです。マヨネーズがキムチの酸味と辛さをマイルドにし、旨味が爆発します。キムチの乳酸菌と納豆菌のダブルパワーで腸活効果も期待大です。
- たくあん:意外かもしれませんが、細かく刻んだたくあんのポリポリとした食感が、ふわふわの納豆マヨの良いアクセントになります。噛む回数が増えるので、早食い防止になり満腹感を得やすくなります。
- 黒胡椒:たっぷりのブラックペッパーを振ると、味が引き締まりカルボナーラのような洋風の味に変化します。お酒のおつまみとしても優秀です。
納豆とマヨネーズの効果に関するまとめ
納豆とマヨネーズの組み合わせは、単なる「B級グルメ的な味変」ではなく、栄養吸収を助ける理にかなった食べ方であることがお分かりいただけたかと思います。
カロリー過多にさえ気をつければ、納豆が苦手な人でも美味しく健康習慣を続けられる素晴らしい方法です。
最後に、この記事のポイントを整理します。
まとめ
- マヨネーズはアビジンの心配がなく、納豆の栄養(特にビオチン)を邪魔しない。
- マヨネーズの脂質がビタミンKの吸収を助け、骨や血管の健康を強力にサポートする。
- カロリーは高くなるため、小さじ1程度にするか、カロリーハーフや機能性マヨネーズを活用する。
- 夜食べれば美容・血流改善効果、朝食べればエネルギー補給に最適。
「納豆マヨネーズ、ちょっと試してみようかな」と思っていただけたら嬉しいです。
ぜひ、明日の食事から取り入れて、美味しく健康的な毎日を送ってくださいね。